業界別AIおすすめ調査 第1弾
AIに「おすすめのクラウド会計ソフトは?」と聞かれたら、どこが紹介される?
測定日
「個人事業主におすすめのクラウド会計ソフトは?」「中小企業の経理に向いた会計ソフトを比較して」。こうした相談を、検索エンジンではなく生成AIにする人が増えています。AIはどのクラウド会計ソフトを、どんな順番で紹介するのか。AI評判レントゲンで主要なクラウド会計ソフトのAI回答での見え方を、2回の測定で比べました。
この調査は、ChatGPTなどの生成AIに相談される場面を想定した質問で、AI評判レントゲンの診断エンジンが生成・評価した結果です。ChatGPTなど特定のAIサービスの実際の回答を取得したものではありません。また、各製品の機能や品質の優劣を評価したものでもありません。
調査の結論
- 診断対象を変えて2回測定したところ、2回ともfreee会計が1位、マネーフォワード クラウド会計が2位でした。3位以下は勘定奉行クラウド、弥生会計、PCAクラウド 会計が続きました。
- 製品名が出ることと、上位で薦められることは別でした。勘定奉行クラウドは1回目、製品名を含まない比較の質問9件すべてで名前が出ましたが、スコアは38にとどまりました。
- 相談する人の条件を変えると、候補の顔ぶれと順番が入れ替わりました。1位のfreee会計も、条件によっては候補に挙がらない質問がありました。
- AIが根拠として示したページは2回とも各社の公式サイトだけで、比較サイトやレビューサイトは0件でした。料金ページが繰り返し使われていました。
調査方法
AI評判レントゲンは、1回の診断で、対象製品と同じ市場の競合を自動で選び、同じ質問群の中での見え方を比べます。診断対象にした製品に有利な結果になっていないかを確かめるため、freee会計とマネーフォワード クラウド会計をそれぞれ診断対象にして、2回測定しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査日 | 2026年10月18日 |
| 診断ツール | AI評判レントゲン(診断エンジン v2) |
| 1回目 | freee会計を診断対象に、名称と公式URLを入力。比較する5製品は診断ツールが自動で選んだ |
| 2回目 | マネーフォワード クラウド会計を診断対象に、名称と公式URLを入力。比較する5製品は診断ツールが自動で選んだ |
| 質問 | 各回、診断ツールが自動で作った15問(3回の観測×5問)。うち製品名を含まない比較の観測が9件 |
| 見た指標 | AI露出比較スコア、言及された件数、質問ごとに紹介された順番、AIが根拠として示したページ |
| 測定信頼度 | 2回とも低(診断対象のスコアは観測によって1回目77〜95、2回目56〜93の幅があった) |
結果:AI回答での見え方
「AI露出比較スコア」は、同じ質問群の中で、どれだけ候補に挙がり、どれだけ上位で紹介されたかを比べた相対的な点数です。製品の品質や機能の点数ではありません。
比較の順位は、各回15問のうち製品名を含まない9件の観測で見ています(残りの6問は、診断対象の製品の説明や料金を確かめる質問です)。比較対象は診断ツールが毎回自動で選ぶため、ジョブカン会計は1回目だけ、MJSLINK DXは2回目だけに入りました。
2回目では、診断対象にしたマネーフォワード クラウド会計のスコアが1回目より下がりました(82→60)。診断対象だから有利になる、という結果ではありませんでした。一方で、測定信頼度は2回とも「低」で、スコアは回によって動きます。順位は目安として読んでください。
| 製品 | 1回目(freee会計を診断) | 2回目(マネーフォワードを診断) | 診断でのAIの説明(要約) |
|---|---|---|---|
| freee会計 | 1位・89 | 1位・80 | 個人事業主から法人までを同じブランドでカバーする統合型 |
| マネーフォワード クラウド会計 | 2位・82 | 2位・60 | 銀行・カード連携と自動仕訳、請求書・経費・給与など周辺業務との連携 |
| 弥生会計(Next) | 3位・56 | 3位・42 | 記帳・決算・請求書や領収書対応を提供する法人向けクラウド会計 |
| 勘定奉行クラウド | 4位・38 | 3位・42 | 仕訳入力、決算、消費税申告など会計業務が対象。月次決算の早期化 |
| PCAクラウド 会計 | 6位・13 | 5位・31 | 中小〜中堅企業向けのクラウド会計ソフト |
| ジョブカン会計 | 5位・18 | 比較対象外 | 会計・証憑管理を提供するクラウド会計ソフト |
| MJSLINK DX | 比較対象外 | 6位・9 | 中堅・中小企業向けのクラウド型ERP |
質問の条件で、紹介される製品は変わる
1位のfreee会計でも、1回目の15問中1問では候補に挙がりませんでした。2回目のマネーフォワード クラウド会計は15問中12問で、「経理の立ち上げ期」「部門管理や承認まで視野に入れた比較」などの質問では挙がりませんでした。AIは相談者の条件に合わせて候補を入れ替えます。自社が「どの条件の質問で出てこないか」を知ることが、対策の出発点になります。表は1回目の質問から抜き出したものです。
| 相談の条件(質問の要約) | AIが先に挙げた製品 | AIの説明(要約) |
|---|---|---|
| 会計だけでなく、人事労務や販売管理まで同じ画面感で広げたい | freee会計、マネーフォワード クラウド会計、弥生会計 Next の順 | 会計を起点に周辺業務まで広げる設計が明確な製品を優先 |
| 税理士とのやり取りを残しつつ、記帳と証憑管理をできるだけ自動化したい | freee会計、マネーフォワード クラウド会計 | 統制を重視するなら勘定奉行クラウドも候補 |
| 開業直後〜小規模法人の経理担当者が、銀行明細連携・請求・給与とのつながりまで見たい | マネーフォワード クラウド会計、弥生会計 Next、ジョブカン会計 | 中堅寄りの統制や部門管理を重視するなら勘定奉行クラウド、PCAクラウド 会計も比較に入る。この質問ではfreee会計は挙がらなかった |
| 月次締めの速さ、証憑の扱いやすさ、部門管理、価格のわかりやすさで比べたい | 6製品すべて | 勘定奉行クラウドとPCAクラウド 会計は承認・権限・部門別など統制寄り、ジョブカン会計は価格の入口が軽い、という整理 |
AIが根拠にしたのは、各社の公式サイト
AIが回答の根拠として示したページは1回目54件、2回目58件で、どちらも比較サイトやレビューサイトは0件でした。「料金一覧」「料金プラン・価格」「料金体系」など、各社の料金ページが繰り返し根拠になっていました。AIの説明は「法人向けクラウド会計」「中小〜中堅企業向け」など、公式サイトの言い方に近い表現でまとめられていました。
今回の結果からは、公式サイトの書き方がそのままAIでの紹介のされ方になっていると考えられます。プランの違いと対象者が1ページで分かる料金ページや、「誰向けか」「何ができるか」を一言で書いた説明は、比較の質問に答える材料になります。
| サイト | 1回目(全54件) | 2回目(全58件) |
|---|---|---|
| freee.co.jp(freee会計の公式サイト) | 21 | 8 |
| biz.moneyforward.com(マネーフォワード クラウドの公式サイト) | 10 | 29 |
| obc.co.jp(勘定奉行の公式サイト) | 8 | 6 |
| yayoi-kk.co.jp(弥生の公式サイト) | 8 | 5 |
| pca.jp(PCAの公式サイト) | 4 | 6 |
| 比較サイト・レビューサイト | 0 | 0 |
この結果から言えること・言えないこと
言えるのは、今回の質問群と測定時点で、AI回答の中で各製品がどのくらい候補に挙がり、何番目に紹介されたか、そして紹介されやすい製品の公開情報にどんな共通点があったかです。
製品の機能・品質・使いやすさの優劣は言えません。ChatGPT、Gemini、Perplexityなど特定のAIサービスで今後も同じ順位になるとも言えません。AIの回答は、質問の書き方、時期、利用するモデルで変わります。GoogleやYahoo!の検索順位とも別のものです。